1.【社内恋愛】




朝7時半時、久しぶりのスーツに袖を通し電車に乗る。



(あー、緊張する。二回めの転職だけど今回はどんな人がいるかな…。パワハラだけはないといいんだけど。。)




わたしの名前は樋口ハナ。26歳。


以前働いていた会社は上司のパワハラによって精神を病んでしまい退社。



男女平等と言ってもやっぱりどこかで女性を優遇するしているこの世の中で、あの上司は辛すぎた。


そりゃあ、私がダメなところもある。でもまあ、あの会社で10年働いている60手前のお局様の後輩が1年経たない間に次々辞めていってしまうのは納得できるほどの上司のクズぶり。

 


辞めて正解だったと思う。




あの職場よりもひどい職場はそうそうないはずだから今回は辞めずに頑張ろう。



そんな事を思いながら職場のドアを開ける。





すると席についていた人全員がこちらに目を向けた。



「おはようございます!樋口ハナと申します!今日から宜しくお願い致します!」



ちゃんと声は出ていただろうか。

正直、病院で鬱の診断書をいつでも出せると言われたほど精神はズタボロだったので、人間が怖い。ところがある。


すると、1番奥に座っていた小太りな男性が口を開いた。


「おー!よろしくね!まだ女性陣来ていないんだけど、そこ樋口さんの席だからね!


明るく元気な声。

いままでの上司とは違う。




職場を見渡すと、イケメンぞろいだ。

久しく人と話をしてなかったうえにこのイケメン率。正直不安だ。  




つづく